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虚無だったあの日街が戦争になった
私は猫を抱き抱えて家に帰った
戦火が強くなってきたある日私は猫を連れて外へ出た
そこには居酒屋があった
ベンチとテーブルがたくさん並んでいて見知った人も何人かいる
少し食べて私はその先の森の方へ向かった
しかし、途中で嫌な予感がした
というより思い出した
私はここで死んでる
引き返して車通りの多い道を歩く
連れてきた猫はいなくなっていた
ある街へ着くと私のことをみんながじろじろみてくる
なんなんだろうと思ったがそのまま町役場へ向かった
途中スーパーに行ってみた
そこで私は察した
町役場のお兄さんにここに学校はありますか?と聞いた
ありませんねえここには…も少し先の街へ行ったらありますが…
ここにこどもはいるのですか?
はあ、よくお気づきになられましたなあ…あんまりいないんですよ…お嬢さんみたいな小さいこどもは珍しいですよ…
私18ですが、そうですか
それで…なんのごようでしょうか?
妹と猫を探していて
はあ、いやしかし先ほど言ったようにこどもはいないんでねえ…お母様は?
死にました
はあ、いやこれは失礼しました、妹さんの手がかりはないのですか?
それが、私のことを覚えていないかもしれないんですよ、
それは、名前や顔ということですか
そうです
はあ、それはむつかしいですねえ他の街をあたったほうがいいでしょうなあ
わかりましたどうもありがとう
しぃちゃん
しぃちゃんのおうちは民族チックな雑貨屋さんになっていた
木造の建物で木の匂いがする
五階まで吹き抜けになっているところがあるのですごく明るくて心が気持ちいいすごく清々しい
約7年前のアニメを見た
わたしがいる今は2019年だけれどまどの外を見ると
よくマンガでえがかれているような近代的な建物が建っている
ひとつの大きな柱にツリーハウスのようにいくつもの家々がついている
空は暗い
おそらく曇っているのだろう
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